初めて赤ちゃんを授かったあなたは、喜びもひとしおでしょう。でも、妊娠中の体調管理や出産準備に加え、産休や育休のことを考えるだけで不安を感じるのではないでしょうか。
会社勤めの女性なら誰もが経験する産休や育休、一体どんなルールがあるのでしょう。いつから休める? 手当はもらえる? パートは取れない?
本記事は、働く女性の多くが経験する産休・育休のしくみについて、よくある疑問をわかりやすく解説します。
このガイドを読めば、あなたの不安は解消され、安心してマタニティライフ&育児ライフを過ごせるはずです。
では、さっそく産休・育休のポイントを見ていきましょう!
Q1. 産休は誰でも取得できる?
産休は、働く女性であれば正社員もパートも関係なく、原則として誰でも取得する権利があります。
ただし、会社に申し出る必要がありますので、出産予定日が決まったらできるだけ早めに、休む時期や復帰予定を会社に伝えておきましょう。
企業は申し出があった場合、拒否することはできません。
一方で、自営業者やフリーランスの場合は、基本的に産休制度は適用されませんが、国民健康保険の出産手当金や社会保険の出産育児一時金などを活用することができます。
ポイント:
・働く女性なら誰でも産休を取得する権利がある
・会社に早めに申し出ることが大切
・自営業者やフリーランスは別の支援制度を利用する
Q2. 産休中に手当はある?
会社勤めの場合、産休中は健康保険から出産手当金が支給されます。
支給額は、産休開始前の1年間の平均賃金の3分の2に相当する金額が支給されます。
原則として産休期間中は無給となりますので、この出産手当金が重要な生活の支えになります。
ただし、出産手当金を受け取るには、医師や助産師の証明が必要で、書類の提出が必要になります。
手続きは面倒に感じるかもしれませんが、計画的にしっかり準備していきましょう。
ポイント:
・産休中は出産手当金が支給される
・支給額は産休前賃金の3分の2
・医師の証明など必要書類を準備する
Q3. 育休を取る条件は?
育児休業は、原則として子供が1歳になるまで取得することができます。
パパとママのどちらでも取得可能で、両親ともに取得すれば子供が1歳2ヶ月になるまで休めます。
ただし、育休を取得するためには、同一の事業主のもとで1年以上継続して雇用され、子供が1歳を迎えるまで継続して雇用されることが見込まれることが条件です。
また、配偶者が専業主婦(夫)であったり、育児休業中だったりする場合は、育児休業を取得できないこともあります。
会社に申し出る際は、配偶者の状況もしっかり確認しておきましょう。
ポイント:
・子供が1歳になるまで育休を取得可能
・パパママ両方が取得すれば1歳2ヶ月まで休める
・育休取得には勤続1年以上などの条件がある
・配偶者の状況によっては取得できないこともある
Q4. パートは育休取れないの?
パートタイマーでも、一定の条件を満たせば育児休業を取得することができます。
具体的には、1年以上継続して雇用されており、1週間の所定労働日数が2日以上、1日の所定労働時間が5時間以上であることが条件です。
ただし、1年以内に雇用関係が終了することが明らかな場合は、育休を取得できません。
出産後も働き続ける予定のパートタイマーの方は、雇用契約の更新も視野に入れて、早めに会社と相談しておくとよいでしょう。
ポイント:
・パートも一定の条件を満たせば育休が取れる
・週2日以上、1日5時間以上働いていること等が条件
・出産後も働き続ける予定なら会社と早めに相談を
Q5. 育児休業給付金は誰でももらえるの?
育児休業給付金は、原則として雇用保険の被保険者であれば受給資格があります。
ただし、育休開始前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることが必要です。
また、育児休業終了後も引き続き働く意思があることも大切なポイントです。
育休取得前の離職等には十分注意しましょう。
なお、育児休業給付金は「両親ともに受給可」のケースと、「どちらか一方のみ受給可」のケースがありますので、配偶者の状況もしっかり確認しておくことが大切です。
ポイント:
・雇用保険の被保険者なら原則育休給付金を受給できる
・育休前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間が必要
・育休後の継続就業意思も必要
・配偶者の状況によって受給可否が変わる
Q6. 育児休業給付金ってどれくらいもらえるの?
育児休業給付金の支給額は、原則として休業開始前賃金の67%相当額です。
休業開始から180日経過後は50%相当額に減額されます。
上限額は、育休開始前賃金が月額33万円の場合で、月額22万1100円(休業開始後6ヶ月経過前)、16万5000円(同6ヶ月経過後)となっています。(2023年1月改正)
なお、給付金は職場復帰後にまとめて受け取る仕組みです。
ただし、1歳を迎えるまでの間に職場復帰した場合は、復帰時点までの分を受け取ることになります。
ポイント:
・支給額は休業開始前賃金の67%(6ヶ月経過後は50%)
・上限額は22万1100円/月(同16万5000円/月)
・原則として職場復帰後にまとめて受け取る
産休・育休を取得する前に知っておきたいこと
1. 会社への申出はいつまでにすればいいの?
産休・育休を取得する際には、法律で定められた期間までに会社に申し出る必要があります。
産休の場合は、出産予定日の42日(多胎妊娠の場合98日)前までに、育休の場合は、原則として希望する休業開始日の1か月前までに申し出ましょう。
ただし、会社の就業規則で、これらよりも早い時期に申し出ることが定められている場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
2. 必要書類は?
産休・育休を取得する際には、会社に提出する書類があります。
産休の場合は、「産前産後休業取得届」を、育休の場合は、「育児休業申出書」を提出します。
これらの書類は、会社からもらえる場合と、自分で用意する場合がありますので、確認しておきましょう。
また、医師の診断書や母子手帳の写しなど、その他必要となる書類もある場合がありますので、事前に確認しておくことが大切です。
3. 職場復帰後の働き方は?
産休・育休を取得する際には、職場復帰後の働き方についても考えておく必要があります。
以前と同じようにフルタイムで働くのか、それとも時短勤務制度などを利用して働く時間を短縮するのか、など、自分のライフスタイルに合った働き方を選択できるように、事前に会社と相談しておきましょう。
また、保育園などの預け先についても、早めに情報収集を開始しておくと安心です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
産休や育休を取得する際には、ふまえておくべき様々なポイントがあることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
特に、会社への申し出時期や必要書類の準備、配偶者の就労状況の確認は、早め早めの対応が肝心です。
もしわからないことがあれば、会社の人事担当者や社会保険労務士等の専門家に相談してみるのもよいでしょう。
あなたに適した産休・育休の取り方を知ることで、安心して赤ちゃんを迎える準備を進めていってください。
最後に
マタニティライフも、それぞれのスタイルでおくることができます。
妊娠や出産に関する手当や支援制度はとても充実していますので、ぜひ積極的に活用していきましょう。
そして何より、赤ちゃんの誕生という大きな喜びに溢れる貴重な時間です。
あなたのペースでゆっくりと、そして大いに楽しんでくださいね。